広く知られているとおり、宝くじのリターンの期待値は小さいです。例えば2012年年末ジャンボですと300円のくじのリターンの期待値は150円程度(※1)であったようです。この期待値を元に、「宝くじの購入は非合理的な選択である」と結論付け、思考停止している人は多いと思います。ですが、
私は宝くじの購入が非合理的であるとは思いません。※1 期待値が150円程度 参照:
ギャンブラーのための数学講座 第20回 ジャンボ宝くじの買い方 (リンク最終確認:2012/12/20)
1. ギャンブルはキャッシュフローを有利な形へ変換する事
宝くじの合理性を説明する前に、キャッシュフローの変換の概念について言及しておきます。
投資等のギャンブルの目的は、「キャッシュフローを有利な形にする事。もしくはそれを目論む事。」であるはずです。例えば、値上がりを期待して株を買う行為は、
①株を買う = 一時的なキャッシュアウト
②値上がりした株を売る =①より大きなキャッシュイン
とキャッシュフローの視点で見れば、これが有利な形に変換される事を目論んでいるという状態である事が分かります。
2. 宝くじのキャッシュフロー
宝くじのキャッシュフローは定性的には下の2パターンです。
パターン1
①くじを購入 = キャッシュアウト
②はずれる = キャッシュインなし
パターン2
①くじを購入 = キャッシュアウト
②当たる = 大きなキャッシュイン
はずれる確率は高くても、キャッシュアウトの額は大きくなく、普通痛くも痒くもない金額です。ところが大当たりとなった場合は、非日常的な実に大きなキャッシュインが実現します。このように
キャッシュフローの視点でリスクとリターンを比較し、有利不利を考えた際、(人それぞれですが)価値観によっては宝くじの購入を検討する余地は、十分過ぎる程残されています。(※このような面白みは、期待値というのっぺりとしたパラメータを算出した途端見えなくなります。)
宝くじの購入は、「キャッシュインを目論む正当な投資行為の1つである」と言っても良いと私は思います。
3. 期待値が300円より下がっている分は、プレミアム
非日常的なキャッシュインを実現する可能性があるものに対して、「プレミアムを支払ってでも購入したい」と考える事に抵抗はありません。宝くじを買い、当たった時の事を考える楽しさにも価値があるはずです。
その価値が「宝くじ購入代金-リターン期待値」を超えると判断した場合、宝くじの購入は合理的な選択となると考えます。
以上の事から、私は(例え期待値が小さくても、)
宝くじを購入する事は必ずしも非合理的だと考えは、しません。4. ここまで書いて気付いた事
宝くじについて書いてきましたが、そういえば私は「年末ジャンボ宝くじ」を買っていません。正直今まであまり買った事もありません。これでは、当たった時の事を楽しく妄想する価値が150円(1本300円-期待値150円)より小さいと考えているつまらない人になってしまいます。
今後はある程度、冬の風物詩として「年末ジャンボ宝くじ」を楽しむようにしようと思います。
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