リバランスは、資産配分比率を守るための売買です。(相対的に)値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う事になります。これは、「安値で買って高値で売る」を実現させる有効な投資手法として、投資教本でも広く扱われています。
ただ、メリットもあればデメリットもあります。一例を挙げてみます。
1. リバランス戦法が裏目に出る場合
i) 値動きと売買
下図のように4つのアセット(アセットA, B, C, D)を等比で持つポートフォリオを組み、リバランスする事について考えます。
※クリックで拡大します。①最初
各アセット25万円ずつ、合計100万円
↓
②アセットAだけが5分の1に値下がり
アセットA:5万円/ アセットB~C:各25万円、合計80万円
↓
③リバランス
各アセット20万円ずつ、合計80万円
↓
④アセットAだけがさらに5分の1に値下がり
アセットA: 4万円/ アセットB~C:各20万円、合計64万円
ii) どう、リバランスが裏目に出たか
④において、最終的に資産は64万円、すなわち36万円の損失となっています。もともとアセットAには25万円しか投資していませんので、アセットAだけが値下がりした場合、損失は最大25万円で済みそうなものでしたが、そうはなっていません。リバランスが裏目に出て、損失が膨らんだ形となっています。
②→③において、アセットAを「リバランス買い」してしまった事が、傷口を広げる原因です。2. リバランスのデメリット
リバランスは、何か1つのアセットが下がり続けた場合、他のアセットが下がらない場合でも、リバランスを通じて資産全体が毀損していきます。保有比率がわずかな資産でも、それが下がり続けると、計算上はリバランスを通じて全体資産全損失の可能性が出てきます。(日々リバランスをしているバランス投信等を購入する場合、ここらへんは特に注意するべき事だと思います。)
リバランス戦法は、調子の良いものを売り、調子の悪いものを買う、典型的な逆張り戦法の1つですので、一方的な価額の動きに対しては弱いのです。3. リバランスのデメリットを避けるために
予想外に保有アセットが下がり続ける可能性は考えておくべきです。たとえば、どこまでも円高が進み、海外アセットがダダ下がりするかもしれませんし、日本国債の金利が上がり続ける可能性もあります。
このような場合のリバランスのデメリットを避けるために、どうすれば良いのか考えてみました。その結果、「リバランス原資にしない資産を持っておく」という作戦を思いつきました。まあ、そうなりますよね。
ですので、資産は
1.リバランスをし、「安値買い・高値売り」を狙っていく部分
2.リバランスをせず、「分散投資の効果」を享受する部分
に分けて管理するのが、betterかと、そう思います。
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