現在、世界人口は増え続けています。
このまま人が増えていくと、消費が増え、経済活動が活発になります。
その結果、企業の業績は良くなり、株価は上昇を続けることが予想できます。
この話を前提とし、「資産を形成するために、投資家は、運用資産の大半を、人口増により株価上昇が期待できる、海外株式に向けていればよい。特に、低コストで、かつ、広く分散投資ができるインデックスファンドへの投資が望ましい。なお、株価の上下のリスクは、ドル・コスト平均法で吸収すれば問題ない。最後は増える。」という主張があります。
前提が正しければ、確かにその通りです。ですが、この前提を鵜呑みにし、前提が崩れた時に資産の大半を失うような、ハイリスクな運用をするのは、良くはありません。
そもそも、世界人口は増え続けますか?
天災や戦争、流行病や食糧危機の度合いによっては、増えないかもしれません。
人口が増え、企業の業績が上がったとしても、株の利益は得られますか?
円高が外国株の株価上昇よりも早く進むと、利益は得られません。更に、課税システムの改悪を含め、政策により、投資家が利益を得られない世の中に変ってしまう可能性もあります。
このように、長期投資家を自称し、インデックスファンドをコツコツと積立てていても、損をする時は、損をしてしまうのです。
パッシブ運用のメリットばかりが喧伝されている世の中ですが、うまく資産が増えない場合の事も、きちんと考えておくべきです。その上で、我慢できる程度のリスクを取り、うまくいけばリターンを得る。
このような、慎重な運用方針の方が、いいと思います。