「5月にリリースされた決算短信に記述されている、新しい業績予測による期待相場」が一服するため、6月は軟調な相場となる傾向があると、聞く事があります。
日本では、6月に入る前に株を売却(Sell in May)しておく事は、運用成績に効果的でしょうか?過去の日経平均株価の騰落率推移を調べてみます。
1. 月間騰落率推移の「元データ」と「集計方法」
1-1 データの取得
データは、↓のリンクから取得しました。
株価データ倉庫(リンク最終確認:2013/5/2)
1-2 集計方法
1984年から2012年までの、29年間の6月騰落率を集計しました。
ここで騰落率は、
騰落率=(終値-始値)÷始値
で定義しています。
2. 結果(6月日経平均株価の月間騰落率推移)
※クリックで拡大します。横軸が西暦で、縦軸が6月騰落率です。
平均値は -0.1%
±1.0%標準偏差は 5.5%
最大値 +8.9%(1999年)
最小値 -13.0%(1992年)
となります。
※平均値の誤差は、「標準偏差÷√サンプル数」の値を使っています。3. 所感
6月騰落率の平均値を見ると、-0.1%でマイナスの値です。ですが+9%上昇する年もあり、統計的有意な6月の株価下落傾向は観測できません。つまり、「Sell in May しておくべきか?」に対する回答は「分からない」となります。
「Sell in May」戦法により、5月の内に株を売っておくのは、有利になる年もあれば、不利になる年もあります。今年はどうなるでしょうかね。「6月相場による解答」を楽しみにしておきましょう。