賢い投資家が鞘取りを行っているために、市場は効率的で、株には多くの情報を織り込んだ、「ある程度正しい株価」がつくと言われています。ところが実際には、株価が妙に割安で、しかもそれが、そのまま長年放置されている割安株が存在していたりします。
どうしてこのような事が起こるのでしょうか。理由を4点紹介します。
1. 株価が異常値のまま放置される理由
1-1. 株価が異常値である事を認識できないため
株価の異常値に論理的な説明ができない場合、慎重な投資家は「自分の知らない情報によって、このような株価が形成されている」と考えるかも知れません。この場合、その投資家はこの株で儲けようとは思わないため、正しい株価へ向かう売買は行われず、結果として株価は異常値のまま放置される事になります。
1-2. 売買コストが多くかかるため
特に、流動性が低い株ですと、鞘取りのコストが多くかかり、それが鞘取りのリターンを上回ってしまう事があります。この場合鞘取りはされませんので、株価の異常値は放置されます。
1-3. 鞘取りで十分な利益が得られないため
株価の異常が軽微ですと、調査コストや、株価異常値が解消されるまでの時間コストを加味すると、鞘取りをする意義が無くなる場合があります。この場合も鞘取りがされないため、株価の異常値は放置されます。
1-4. 売買の制約があるため
「空売りができない」等の制度的な制約により、株価の異常値が解消されない場合があります。
2. 割安なままの割安株
上記のように、特に「情報が少なく、売買しにくい株」の株価は異常値がつき、それがなかなか解消されないかも知れません。
割安株投資は
①割安株は見つけられるか? に加えて
②その割安さは、将来本当に解消されるのか?
に注意をしたい所です。
3. 参照
この記事は、↓のリンクの記事をベースに作成しました。
Why Apparent Efficient Market Anomalies May Persist(Financial Education) ※リンク最終確認:2013/6/8