2014年5月現在、NISAは2028年に終わる予定の制度です。この2028年の日経平均の終値はどうなるのでしょうか。終値予測の参考として、乱数シミュレーションを使い確率分布を作成してみました。
1. 確率分布作成方法
日経平均株価の月間騰落率を作成し、そこからランダムに値を取得、14年後の日経平均株価を予測します。
1-1. 過去データによる月間騰落率を作成
1984年から2013年にかけての30年間の月間騰落率分布を作成します。
月間騰落率は
月間騰落率=翌日始値÷当月始値-1
で定義します。
騰落率分布は下図になります。
※クリックで拡大します。 正規分布にかなり乗りますが、-20%を超える下落月があるなど、ファット・テールが観測できる分布になりました。
1-2. 月間騰落率からランダムに値を取得し、掛け合わせる
上記の通り作成した分布から、値を取得します。1回のシミュレーションでは、値を12×14=168回取得して使います。ここで12は1年が12ヶ月、14は14年後の終値を知りたいという事から設定しました。
最初2014年に日経平均株価が16291.31円だったとして、これに168回それぞれ取得した値を掛け合わせると、乱数を用いた14年後2028年の株価のシミュレーション値となります。これを5,000回繰り返す事で、14年後の株価の分布を作成しました。
2. 結果
14年後の株価分布は下図のようになりました。
※クリックで拡大します。 横軸が2028年日経平均株価の終値予測値です。
14年間で騰がる月が多かった場合は、日経平均株価は20,000円台にも30,000円台にも、80,000円台にもなり得ます。一方で下がる月が多かった場合は、14年後は10,000円割れとなり、その確率は低くはなさそうです。
日経平均株価が最初と比べ下がってしまったのは、5,000回中1837回で、確率は37%でした。14年後に株価が 下落している確率は、決して低くはない事が分かります。
他、確率詳細です。
※クリックで拡大します。3. 所感
シミュレーションでは、2014年から2028年にかけての値動きが、1984年から2013年にかけての30年間と似ているという前提のもとで行ったため、抜本的な経済構造の変化があった場合には実態は大きく異なる事があります。
また、シミュレーションは乱数でやりましたが、実際には株価はランダム・ウォークでは説明できない、トレンドを持った動きをするため、もっともらしい株価分布とは言えないかもしれません。
しかしながらもとの騰落率分布の平均値を少し動かしてみたりしても、結果は大きくは変わらない事から、分布はそれなりの精度が出ていると思っています。
これを踏まえれば、2028年に株価が低迷している場合の事も視野に入れ、ある程度の手堅さを伴う資産運用を心がける必要があると私は考えました。
スポンサーサイト