「上昇トレンド」「下降トレンド」など、相場には方向性があると言われている。
更に、トレンドは一度決まるとなかなか変わらず、持続すると言われている。
さて、今回は、1987年から2010年までの日経平均株価を使い、この上昇トレンド持続性について考察した。
使用するのは25日モメンタム。すなわち25日移動平均線の傾きの大きさである。

(チャート:
SBI証券より拝借)
つまり今回、上昇トレンドを、「25日モメンタムの符号がプラスであり続けている状態」と定義した。そして、その持続日数を数えることにより、上昇トレンドの持続性について考察をした。
(移動平均線とモメンタムについての詳細は
こちら。)

上のグラフがその結果である。
リニアスケール(上)とログスケール(下)で同じものを表示した。
黒が日経平均株価の「25日モメンタムの符号が正」の継続日数分布である。
一方で
赤の十字線は、乱数シミュレーターで作成した、ランダム・ウォークの結果生成された疑似株価の25日モメンタムの継続日数分布である。
さて、比べてみる。
まず、上昇トレンドが100日(厳密には100営業日)未満の場合。(図の左側)
この場合は、ランダム・ウォークでも十分に説明できる数値となった。
すなわち、50日程度の上昇トレンドは、「コイン投げで連続して表が出ることもある」のと同様に、確率的には自然に起こってしまうものと考えてよい。つまり、この程度の上昇トレンドは、「持続性があった」と言うことはできない。
次に、100日を超える上昇トレンド(図の右側)について。
こちらは、ランダム・ウォークでは説明できない。
すなわち、「経済成長」や「バブル相場」などの相場上昇要因の存在があり、上昇トレンドが継続していたはずである。
結論:
「25日モメンタムが100日以上プラスを維持した場合は、確率論的には確かに上昇トレンドであったと認めることができる。」
「その一方で、100日未満の場合は、この上昇相場は、ランダム・ウォークの結末であったと考えても矛盾はない。」よろしければ「Ctrl+左クリック」お願いします→ |  |
- 関連記事
-