2011年5月28日、日本金融学会において、日銀の白川総裁が日本の財政悪化に対して、警鐘を鳴らしています。以下、白川総裁の発言の抜粋です。
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現在の日本の財政の状況は「非常に深刻」だが、「長年、財政状況が悪いにもかかわらず、国債は円滑に消化され、長期国債の金利も低位で安定的に推移しているため、財政悪化に伴う危険に警鐘を鳴らす議論は、時として『オオカミ少年』のような扱いを受けることがある。しかし、どの国も無限に財政赤字を続けることが出来る訳ではない。政府の支払い能力に対する信認は非連続的に変化しうる」と述べた。
また、「財政赤字の拡大や日銀の独立性が尊重されていないと感じられる出来事が起こると、最終的に激しいインフレが生じるだろうと考える傾向が生まれる」、「はっきりしていることは、予想は非連続的に変化するということ」と指摘。「欧州周辺国のソブリン・リスク問題にみられるように、財政の維持可能性に対する信認が低下すると、財政と金融システム、実体経済の三者の間で負の相乗作用が生じ、経済活動にも悪影響が及ぶ」と述べた。
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1.概要・解釈
財政悪化を放置すれば、遅かれ早かれ、日本国債の買い手がある日突然急減し、国債の価格が暴落する可能性がある事に言及しています。
また、その際「円」は、通貨としての信用を失い、「お金の価値が下がり、相対的にモノの価値が上がる」いわゆるインフレが、しかも激しいインフレが発生すると言っています。
2.運用方針再考の必要性
いよいよ国債の暴落が近づいて来た様子です。
これを受け、資産運用についても、再考する必要がある事柄が出てくると思います。
以下に、変更が必要となる可能性がある事について考えてみます。
i) 預金だけでは不安
今までは、預金さえあれば安心でした。
しかしながら、インフレが起こってしまうと、せっかく貯めたお金(日本円)は価値を失います。
このリスクを分散するために、資産の一部を、外貨や国内外の株・債券、もしくは投資信託へ投資する事を考える価値が、出てきたと思います。
ii) 年代別アセット・アロケーション
多くの投資本(大抵は胡散臭いですが)では、若い人には海外株式中心の運用を、定年間近の人には国内債券中心の運用を薦めています。ところが、現在、国内債券暴落の可能性が出てきたため、定年間近でも、海外資産の比率が少なくなりすぎないように、注意する必要が出て来ました。
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