ドル・コスト平均法(dollar-cost averaging / DC平均法 / DCA )による時間分散投資をした際のリターンと、一括投資をした際の期待リターンを比較してみました。
1.設定時間 t = i ( i=1,2,3 ... ,n ) において、価額が a(i) である無配の有価証券を考えます。
i) DC平均法では、t=1,2,3 ... ,n の時、それぞれ金額 c だけ買付を行うものとします。
ii) 一方で、一括投資では、1/n の確率で、t = i ( i=1,2,3 ... ,n) の時に、金額 cn を一括投資するものとします。
2.DC平均法でのリターンt = i で取得した有価証券は、最終的に a(n) ÷ a(i) 倍になります。
従って、リターンは
Σ(c × a(n) ÷ a(i) - c)
=cΣ(a(n)/a(i)) - nc ... ①
と計算できます。
3.一括投資の期待リターンt = i の時 金額 nc を一括投資した場合のリターンは、2.同様の計算で
nc × a(n)/a(i) - nc
となります。
1/n の確率でのお話である事を考慮し、期待値を計算すれば、
Σ(1/n × ( nc × a(n)/a(i) - nc ))
=cΣ(a(n)/a(i)) - nc ... ②
となります。
4.両手法での期待リターン比較① = ② ですので、DC平均法も一括投資も、期待リターンは変わりません。
すなわち期待リターンの観点で考えた時、「毎日少しずつ定額積立」も「1ヶ月に1度定額積立」も「一年に一度一括投資」も「欲しくなったときに買う」も、すべて同じ投資成果が期待できることが分かります。
5.補足例えば以下のような条件や思想を追加的に考慮した場合、上記結論は成立しません。
・買付手数料
・右肩上がり信奉
・感情的な売買は投資成果を引き下げるという思想
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