以前
こちらの記事のコメント欄で、ケリー基準について 葵ただひとさん と Tansney Gohn さんに情報を頂きました。
本日私は仕事が休みでしたので、興味がありましたし、下のリンクのケリー基準について、一通り読んでみました。大変面白い記事でした。
ケリー基準 (リンク最終確認: 2012/3/23)
http://www.geocities.jp/y_infty/management/index.html下記例題を解く過程を追う事を通して、ざっくりと推論の考え方をまとめておきます。簡単のため、数学的正統性を多少無視します。
1.問題あるリスク資産は、一定期間に、
確率Pで w 円 増えます。
確率1-P で、l 円 減ります。
(注意: ここで l はアルファベットのエルです。1(いち)ではありません。)
このリスク資産は、長期保有できます。
さて、このリスク資産をどれくらい持っているのが合理的でしょうか。
ケリー公式は、この問題に答えを与える事ができる、素晴らしい公式です。
以下、解を導く論理を追っていきます。
2.まず最大損失を仮定し、資産の増減を計算する上記「一定期間」に負けた時に、資産の f 倍(0≦f≦1)を失うような運用をしたとします。
この時、
1-Pの確率で負け、資産は 1-f 倍になります。
Pの確率で勝ち、資産は、1+(w/l)×f 倍になります。
ここで、w/l は、勝ち幅÷負け幅です。これを R とおいておきます。
すると、勝ったときの増え方は、1+Rf 倍と記述できます。
3.次に「一定期間」で期待される資産の増え方を計算「一定期間」あたりでは、P回勝ち、1-P回負ける事が期待されます。
よって、「一定期間」あたりの増え方を f の関数 g(f) とすると、
g(f) = (1+Rf)^P × (1-f)^(1-P)
とおけます。
(2.で示した通り、↑の 1+Rf は勝った時の増え方、1-fは負けた時の減り方です。)
4.一番資産が増えるように運用するには?最も増えるように運用するには、関数 g(f) を最大にする f を選べば良いですね。
最大値を与える f を f* とします。
このf* は g(f) を f について微分すれば計算でき、←注:理系の人のみが履修する微分です。
f* = ((R+1)P - 1)/ R ・・・①
となります。
負けた時、資産の f* 倍を失うようにこのリスク資産を運用していく事が、最も合理的であると分かりました。これが問題の解です。
5.ケリー基準とは?式①は、ケリーの公式と名前がついています。
今回は、買った時と負けた時の2パターンがある時、最も合理的な運用方針は何かについて考えましたが、3パターン以上ある時について考えたのが、「ケリー基準」と呼ばれているようです。
ケリー基準は、「リターン分布を持つリスク資産をどれくらい持つのが合理的か」を計算する事ができる数式になります。
6.詳細・数学的に正統な論理上記リンクをご参照ください。
大変詳しく書いてあります。
葵ただひとさん 、Tansney Gohn さん、
情報ありがとうございました。 ^^
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