リスク資産を用いた資産運用についての議論において、リスク(値動きの大きさ)を無視してしまう事に起因する「間違い」があります。一例をあげてみます。
1.どちらが有利?期中リターン分布が「正規分布」に従う2つの金融商品を考えます。
金融商品A:リスク22% リターン2%
金融商品B:リスク6% リターン1%
どちらの商品を用いて運用して行くのが合理的でしょうか?
これについては、リスクを無視して「リターンが大きい金融商品Aで運用して行くのが有利」とする考え方がありますが、これは間違いです。長期運用をした際に、期中あたり期待成長率は金融商品Bの方が大きくなります。
(シミュレーションや解析計算が面倒なら、とりあえずシャープレシオをとり、Bの方が有利である事を確認するのもいいかもしれません。)
2.期待値リターンが期待できる?「1.の金融商品Aを30年間運用した際の期待リターンは、1.02^30=1.81 である。」というリスクを無視した議論もあります。実際にはリスクがありますので、この商品を愚直にバイ&ホールドしてしまいますと、計算上30年後には元本は3割目減りしている可能性が高いです。
(割に合わない話であるにもかかわらず、期待値の計算ではプラスリターンになるのは、期待値には「非現実的な確率で大儲け」なる事象で値が上振れするという特性があるからです。)
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