過去記事「
リスク資産における複利効果の有無について」において、モンテカルロ・シミュレーション(乱数シミュレーション)を行いましたが、その結果について、思った事を書いていきます。
1. シミュレーション内容・結果(再掲)
i 設定
①50%の確率で資産が2.1%だけ増加
②50%の確率で資産が2.0%だけ減少
する金融商品があったとします。
これを保有した時に、どのような値動きになる事があるかをシミュレーションしました。
ii 結果
※クリックで拡大します。
※赤線(太線)は、各々の値動きの平均値になります。2. 勝ってる投資家は勝ち続け、負けてる投資家は負け続ける
結果を見て思う事です。Tansney Gohnさんからもコメントでご指摘頂きましたが、「平均値に既に
勝っている投資家は勝ち続けて、負けている投資家は負け続ける」傾向があると分かります。(赤線より下の線は下のままですし、上の線は上のままですよね。)
同様に、「含み損の投資家は含み損のままで、利益が出ている投資家は利益が出たまま」だと分かります。(倍率が1倍を切った線は含み損を表しますが、1倍を切っている線はプラ転はなかなかありません。)
3. その理由は?
「負けている投資家が、負けをひっくり返して勝ちとなる確率」と「勝っている投資家が、現状を維持する確率」とを比べた時、後者の方が高確率だからです。
理論については、やはりTansney Gohnさんから教えて頂いたpdfファイル
逆正弦法則の一般化に向けての一考察 (リンク最終確認2012/12/5)
の中で言及があります。
4. 負けた時、どうするか
i とるべき対応
対応は投資家それぞれだと思いますが、私ならば投資行動を省みて、負けた要因を深く探り、それが見つかればそれを排除し、必要ならば損切りをし、対策を練っていきたいと思います。
そうしないと負け続ける気がするからです。上記対応が正解ではないのでしょうか。
ii ところが積立投資をしていると
私は積立投資もしていますが、それをしていると、なかなか上記対応が取れない気がします。「含み損=安く買えるからO.K.」みたいな、落ち着いて考えれば意味不明と分かる楽観論が、それっぽく聞こえる事もあるから不思議です。(積立投資は、思考停止に陥り安い投資手法ですよね。)
ですが、駄目なアセアロで積み立てたり、駄目な銘柄を積み立てたりしていると、多分いつまでたっても儲かりませんし、そのうち負けるはずです。
だからこそ、含み損が出た場合は良く省みて、投資手法の改善のチャンスにするという強い気持ちを持ちたいです。
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