投資信託の分配金の是非については、賛否両論あります。議論の概況をまとめ、私自身がどう考えているかについて書いてみます。
1. 投資信託の分配金についての議論
i) 投信が分配金を出す事は、原理上は自然な事
そもそも株や債券は、配当金や利金の受け取りが期待できる金融商品ですから、株や債券で構成される投資信託が分配金を吐き出すように設計されるのは、自然な事だと思います。
また、投資は「キャッシュフローを望ましい形に変換する事」という考えに立てば、投信が分配金を出すの設計となっている事は、ごく自然で正統だと感じるはずです。
ii) 分配金を出す投信保有のメリット
分配金受け取りにより、キャッシュが増えます。これは投信の基準価額が下落した場合の影響が小さくなる事を意味します。また、このキャッシュはリバランス原資として利用できます。リターンと比べてリスクが大きめのアセット(国内外株式等)では、基本的にはリバランスを通してボラティリティの出し入れから資産成長を目指すのが数理的に合理的である場合が多いです。このため、自動的にキャッシュを受け取る事ができる分配型投信が有用となる事が多くなります。
iii) 分配金を出さない投信保有のメリット
一方で投資信託が分配金を出さずに、配当金や利金の内部留保から投信への再投資がされれば、投資家から見た場合、
分配金にかかる税金分が引かれずに再投資されますので、その分多めの複利効果が期待できます。特に、リスクと比べて十分にリターンが大きいアセット(国内債券クラス等)では、分配金を出さない投信の方が、再投資の効率性の観点で有利な場合が多くなります。
2. 所感
i) 投信分配金についてどう思っているか
私自身は、分配金が無くても手動で投信解約し、キャッシュを受け取る「リバランスする」手間があまり苦ではありません。分配金が出た時の電子交付をいちいち読む方が、むしろ面倒だと感じます。
つまり
「投信には分配金は無い方が良い」と考えています。ですが、投資の流派としては「フルインベストメント派」ではなく「キャッシュバランス派」ですので、投信が分配金を出していたとしても、さほど気にはなりません。
ii) 分配金の是非についての議論を見て思う事
分配金の是非をめぐっては、頻繁にtwitter上で投信ブロガーの罵り合いが見られます。特に無分配派の発言が強めで、議論が感情的になる傾向があります。確かに右肩上がり信奉者やフルインベストメント派にとって、分配金が如何に意味不明かは想像に難くありません。
ですが、他流派(キャッシュバランス派・リバランス派・キャッシュ受取派)の投信のニーズにも多少の配慮があった上での議論が望ましくないか?と思っています。
※1※1 綺麗事を言いました。twitterの分配金論争の罵詈雑言を見て思う本音は「いいぞもっとやれヽ(゚∀゚)ノ!」です。
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