日経平均株価の月間騰落率は、どの程度「正規分布」しているのかを調べてみました。
1. データの取得と集計方法
1-1. データの取得
データは、↓のリンクから取得しました。
株価データ倉庫(リンク最終確認:2013/4/28)
1-2. 集計方法
1984年1月から、2013年4月までの352ヶ月の月間騰落率を使いました。
ここで騰落率は、
騰落率=(終値-始値)÷始値
で定義しています。
※2013年4月の月間騰落率は、まだ4月が終わっていないために、厳密な値ではありません。2. 結果
下図のようになります。
※クリックで拡大します。青の棒グラフが日経平均株価の月間騰落率分布です。
赤の曲線が正規分布です。
日経平均株価の騰落率と平均・標準偏差を等しくして、規格化しています。
3. 日経平均株価の月間騰落率分布に対する所感
3-1. 分布は「概ね」正規分布に従っています
上の図で示した通り、日経平均株価の月間騰落率分布は概ね正規分布に従っています。このため、ざっくりと騰落率が正規分布に従う事を仮定してシミュレーションや分析を行っても、ある程度良い精度の結果が得られる事が期待できます。
3-2. 分布は「厳密な」正規分布ではありません
一方で、分布は厳密な正規分布とはなっていません。
例えば2008年10月(リーマン・ショックの際)は、正規分布では考えられない程の低確率となるはずの「-25%」という大幅下落が記録されています。また、-2%から+4%あたりの記録回数も、正規分布と比べてやや多くなっており、冪分布っぽさもあります。
以上の事から、精度の高いシミュレーションや分析・投資判断をする際、正規分布を仮定してしまう事に起因して、結果が大間違いとなってしまう事もあります。この事には注意が必要です。
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