前回記事同様に、楽天証券HPの山崎元「ホンネの投資教室」の、運用思考の練習問題20問を解いてみて、所感を投稿します。
第206回 運用思考の練習問題20問リンク最終確認:2013/10/31
第 6 問
6-1. 問題
「当ファンドは投資銘柄数を30に絞っています」という運用方針について、簡単に評価せよ。
6-2. 答案(私が作成)
ポートフォリオの柔軟性に欠ける運用方針である。あえて銘柄数に制約をかける意味が不明。
6-3. 解答(プロの意見)
幼稚、ないしは横着、或いは愚かだ。仮に、いい銘柄が、100あれば、100使って適切に分散投資すればポートフォリオには改善の余地がある。運用上30銘柄という制限は、余計な制約でしかない。
6-4. 所感
模範解答を目指してこのような解答を作りましたが、個人的には銘柄数を30に絞るという運用方針に、それほど抵抗はありません。
個人投資家がポートフォリオの一部として組み込む事を想定したファンドならば、30銘柄という銘柄数は、十分多いという気がします。
第 7 問
7-1. 問題
平均的な銘柄の期待リターンを6%と考える時に、平均を10%上回ると予想した銘柄の期待リターンを16%だと考えてポートフォリオを作っていいか。
7-2. 答案(私が作成)
よい。
7-3. 解答(プロの意見)
自分の予想の信頼度が100%ということはあり得ないので、不適切だ。
7-4. 所感
確かに、信頼度も加味した上で、慎重にポートフォリオを設計する必要がありますね。
第 8 問
8-1. 問題
ファンドの売買回転率に上限の制限を設けることの、長所と短所を一つずつ挙げよ。
8-2. 答案(私が作成)
長所:売買手数料が膨らむ事を防げる
短所:この制約により、売買すべき所でできなくなる可能性がある
8-3. 解答(プロの意見)
意図的なものも含めて過剰売買によるパフォーマンス悪化を制限できる場合があることが長所。他方、リターンとコストを考えてもポートフォリオ改善のチャンスがある場合の制約になりかねないことが短所。
8-4. 所感
概ね同じ事を書いても、その書き方がプロとアマとで、随分違う点が興味深いです。
第 9 問
9-1. 問題
3,000万円運用資金を持っていて、1,200万円株式に投資しようと考えている個人投資家がいて、毎月100万円ずつドルコスト平均法で1年かけて株式を買い付けようとしているとする。彼に、どうアドバイスすべきか。
9-2. 答案(私が作成)
買付けを行ったその一年が、株価の天井圏である可能性も視野に入れ、より慎重に買付を行うべき。
9-3. 解答(プロの意見)
「あなたの場合、ドルコスト平均法は、気休めにしかなりません。むしろ、有害です」が正しいアドバイス。機会損失があること、売買コストと手間が余計に掛かることが明らかなマイナス点。「最適な組み入れ状態」を速やかに作るべき。
9-4. 所感
真逆の解答になりました。私は「個人投資家は性急なポートフォリオ構築はせず、少しずつ買付け、その間に金融リテラシーを向上させる」のが良いと考えています。
すぐに結果を求められるプロの方が、気が短い事の表れでしょうか。
第 10 問
10-1. 問題
「当基金は、10年満期の日本国債にのみ投資していて、原則として満期まで保有するので、時価評価は不要だ」と言っている年金運用担当者がいるとする。彼の考えは適切か。
10-2. 答案(私が作成)
不適切。状況把握しないのは怠慢。
10-3. 解答(プロの意見)
「満期まで保有する」という方針は運用判断の放棄であり、不適切且つ無責任。国債といえども、買う時には、利回りの適否を考えているはずであり、保有期間中に利回りを無視するのはおかしい。
10-4. 所感
特になし。
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