銘柄分散された株式ポートフォリオで長期投資をする場合、想定すべき最大下落率はどの程度を考えておけば良いでしょうか。日経平均株価の値動きを使い、考えてみました。
結論は「株式資産8割毀損」は想定しておく、です。
1.データ取得と集計方法
株価データ倉庫 ※リンク最終確認:2014/8/26から日経平均株価の月間騰落率を取得し、nヶ月(1≦n≦240)間の、株価の「最安値÷最高値-1」を計算し、便宜上これを最大下落率と呼びます。
そしてそれを集計開始期間をずらしながら計算し、「最大下落率」の平均値と最大下落値を求め、プロットします。
※1 暴騰と暴落は現象として対称性に大差がないという予測に基づく集計です。※2 使用したデータ期間は1984/1~2014/8までの20年間と8ヶ月です。2.結果
結果は下図のようになります。
※クリックで拡大します。横軸が測定期間で、1目盛が1年に相当します。一番右まで見れば20年です。
縦軸は下落率で、
青:最大下落率の平均値
赤:最大下落率の最大下落値
の2つが実測値です。
一方で緑は、月間騰落率の標準偏差σを計算し、それに √月 をかけた、比較的良く知られた理論値です。黄色はその理論値を2倍したもの(2σ)です。
3.所感
騰落率のσから最大下落率を想定した結果と、実測値とでは傾向に結構乖離があると思いました。1年間程度の短期では、暴落に備えて3σ程度は見ておかなければならない一方で、10年を超えるレベルでは、1σ×√月で十分そうです。
さらに20年レベルでは、
資産8割減を下限にしてあまり下がりそうになく、この程度(株式資産8割減)を想定していればまず平気であろうと考えました。
まあバブル最高値が38,957円で、リーマンショック後底値が8,136円ですから、起こりうる下落の上限は8割程度なのでしょうね。
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