「
統計解析がわかる (ファーストブック)
」を読みました。
1. 具体的な例題が多く、分かりやすい実用書
統計解析について系統的に網羅されている一冊です。実用的で、具体的な数値データをどう扱うかについてが、多くの例題とともに解説されています。図が多く、読みやすくするための工夫が随所に見られます。
高度な数学理論は敢えて扱っておらず、一般的な「統計の本」と比べて、数式が易しめです。その分、統計が専門の人には物足りないかも知れませんが、私はちょうど良かったです。
統計学の全貌を低いハードルで見渡す事ができるため、入門書として最適です。また、このようなデータをどう処理するか?と思った時に参照するために、手元に置いておきたい実用書です。
2. 統計における基本思想までもが学べる
この本の良い所は、統計についての新しい知識・理解が得られる事に加え、分析の考え方の基本思想までもが学べる事です。
例えば「平均値」のように、誰もが知る統計量一つとってみても、それが資料を代表する値だという切り口からも、かなり詳しく書かれており、新鮮な気持ちで読み進める事ができます。数式を追わずとも、日本語部分だけを読んでも、得られるものが多くあるわけです。
定義ではなく「考え方そのもの」は、抽象性が高い分、応用範囲が広そうです。この視点でも、修得できたものの多い、満足のいく一冊となりました。